株式投資の世界には、多くの伝説的な投資家がいますが、その中でも ジェシー・リバモア は「稀代の相場師」として名高い人物です。彼の人生はまさに波乱万丈であり、投資の成功と失敗を繰り返しました。その生涯をたどりながら、現代の投資家が学べるポイントを解説します。
ジェシー・リバモアとは?
ジェシー・リバモア(Jesse Livermore, 1877-1940)は、20世紀初頭のアメリカで活躍した投機家 です。彼はわずか14歳で株式市場に足を踏み入れ、独自の売買手法で巨額の利益を上げた ことで知られています。
彼の人生は映画のような展開を見せ、成功と破産を何度も繰り返しました。その激動の人生は、エドウィン・ルフェーブルの著書 『欲望と幻想の市場(Reminiscences of a Stock Operator)』 に詳しく描かれています。
投資の成功と大失敗:リバモアの人生の転機
① 若き天才トレーダーとしての成功
リバモアは、14歳で証券会社のメッセンジャーボーイとして働き始めました。そこで 「板情報」や「価格の動き」を分析する才能 を開花させ、数年後には独立してトレードを開始。
🔹 初期の成功ポイント
- 価格の動きにパターンがあることを発見
- 価格の「勢い」に乗るトレード手法を確立
- 自己資金を数万ドルに増やす
② 1907年の暴落で巨額の利益
リバモアの名前が一躍有名になったのは 1907年の金融恐慌 でした。彼は 市場の暴落を予測し、大胆な空売りを仕掛けて300万ドル(現在の価値で数十億円)を稼ぎます。
🔹 学べるポイント
- 市場のパニック時こそチャンスがある
- 群衆心理に流されず、冷静な判断を下すことが重要
③ 1929年の大暴落で再び大勝利
1929年、リバモアは再び歴史に名を刻みます。株価の急上昇がバブルであることを見抜き、暴落前に空売り を仕掛けました。その結果、約1億ドル(現在の価値で数千億円)もの利益を手にしました。
🔹 学べるポイント
- 上昇相場においても「楽観バブル」に警戒する
- 売りのタイミングを見極めるスキルが重要
④ 最後の破産と人生の終焉
しかし、リバモアの人生はハッピーエンドではありませんでした。彼は度重なる投資の失敗により、1934年には再び破産。最終的に 1940年、彼は自ら命を絶ってしまいます。
🔹 学べるポイント
- 資産管理の重要性(利益を上げても無計画に使うと破産する)
- 精神的なコントロール(メンタルが崩れると判断力も鈍る)
リバモアから学ぶ投資の鉄則
彼の投資スタイルや経験から、現代の投資家が学べるポイントをまとめました。
① トレンドを見極める
リバモアは、「価格の動きにはパターンがある」 と考え、トレンドに乗ることを重視しました。
✅ 学び: 価格が上昇しているなら買い、下落しているなら売る(順張り投資)
② 群衆心理に流されない
彼は、市場の大衆が楽観視するときこそ警戒すべきだ と考えていました。
✅ 学び: みんなが「今が買い時!」と言うときこそ冷静に分析
③ 損切りの重要性
「損失が出たらすぐに撤退しろ」 というのは、リバモアの最も重要な教えの一つです。
✅ 学び: 損失が一定額に達したら潔く売る(リスク管理)
④ レバレッジの使い方に注意する
リバモアはレバレッジを活用して大きな利益を得ましたが、その反面、大きな損失も経験しました。
✅ 学び: 無理な信用取引は破産のリスクを高める
まとめ:リバモアの人生から何を学ぶか?
ジェシー・リバモアの人生は、投資の世界の厳しさと魅力を象徴するもの です。彼は巨額の利益を手にした一方で、何度も破産を経験しました。その教訓は、現代の投資家にとっても非常に重要です。
📝 リバモアの教訓まとめ
- トレンドに乗ることの重要性
- 市場の心理を理解し、大衆に流されないこと
- リスク管理(損切り・資産管理)を徹底すること
- レバレッジを使う際は慎重に
彼の生涯を学ぶことで、私たちは投資の奥深さを知り、より賢い判断ができるようになります。投資を続ける上で、彼の教訓を忘れないようにしましょう。
📖 おすすめの本:
- 『欲望と幻想の市場(Reminiscences of a Stock Operator)』 (エドウィン・ルフェーブル著)
- 世紀の相場師 ジェシー・リバモア(リチャード スミッテン(著)、藤本 直(翻訳))
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